製品情報 Product information
[クライオポンプQ&A 2 ]
技術について
Q1 |
クライオポンプとは、どういうポンプですか?排気の原理を説明してください。 |
A1 |
クライオポンプとは真空中に極低温に冷却された面(10~15Kに冷却されたクライオパネルと80K程度に冷却された80Kバッフル、80Kシールド)を置き、 この面に衝突する気体分子(Ar、N2、H2、H2Oなど)を 凝縮又は吸着することにより排気します。
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Q2 |
排気スピードはどうやって計るのですか? |
A2 |
排気速度Sは導入している気体の流量Qを圧力Pで割ることによって求められます。 (S=Q/P)
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Q3 |
排気容量とは何ですか?またどうやって計るのですか? |
A3 |
簡単に言うと、クライオポンプ内に溜め込まれる気体量を言います。排気容量には、凝縮性気体(Ar、N2等)に対する排気容量と 非凝縮性気体(He、H2、Ne)に対する排気容量とがあり,前者はクライオパネルの凝縮性気体がバッフルに接触するまで排気した量を言い、 後者は(H2について)は排気速度が初期の値の80%に低下するまで排気した時の気体量を言います。 導入したガス量を測定しながら排気速度を測り、排気速度が初期の値の80%に落ちた時のガス量を求めます。
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Q4 |
再生はどうやるのですか 再生を早くするにはどうするのですか? |
A4 |
(1)自然昇温法・・・・・・・クライオポンプを止め、自然にクライオポンプ内を室温まで昇温させ、40Pa(0.3Torr)まで粗引き、ビルドアップ試験を行い、クライオポンプを起動させる。 (2)パージ法・・・・・・・・・クライオポンプを止め、クライオポンプ内にNガスを導入し放出する。 昇温が早くなり、ポンプ内も清浄になる。次に40Pa(0.3Torr)まで粗引き、ビルドアップ試験を行いクライオポンプを起動させる。 ホットN2及びバンドヒーター等で加熱することは再生時間を短縮んする上でより効果的である。 (3)急速再生・・・・・・・・・プロセスにより急速常温再生、急速低温再生をご提案しております。 従来の再生時間を約1/2に短縮することが可能です。 詳細につきましては、お問い合わせ下さい。
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Q5 |
冷却降下時間とは何ですか? |
A5 |
クライオポンプを40Pa(0.3Torr)まで粗引きして起動させてからクライオパネルが20Kになるまでの時間。
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Q6 |
「最大流量」とは、何ですか? |
A6 |
クライオポンプがガスを導入している状態で、クライオパネルの温度が20Kに達する時のガスの流量を最大流量と言います。
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Q7 |
熱負荷に強いとか、弱いとか言いますが、熱負荷とは何ですか? |
A7 |
クライオポンプに対する熱負荷とは、放射熱(輻射熱:真空装置から来る)と気体による凝縮熱(気体が凝縮及び吸着する時の負荷)と気体の熱伝導による熱負荷を言います。 熱負荷に強いとか弱いとかは、クライオポンプが輻射熱や気体による凝縮熱に対して温度上昇が少ないものが強く、その逆を弱いという表現をします。
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Q8 |
クロスオーバーとは何ですか? |
A8 |
日本語で交差圧力(Crossover Pressure)と訳しています。真空槽を粗引きし、メインバルブを開けてクライオポンプに切り替える時の真空槽の圧力(粗引圧力)をいいます。この時に許される最大の粗引圧力を最大許容交差圧力といいます。 メインバルブを開けた瞬間に真空槽の気体はクライオポンプに流入し排気されますが、気体の量が限界を超えるとクライオポンプは昇温し、それまで排気した気体を放出してしまいます。 最大許容交差圧力は、その限界の気体量(処理し得る最大のガス吸込み量)を真空槽の容積で割ることにより得られます。
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Q9 |
安全弁はどの位で働きますか? |
A9 |
0.01MPaGから作動し、0.02MPaGで全開になります。
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Q10 |
気体の排気は何ケルビンからですか? |
A10 |
気体の飽和蒸気圧曲線、平衡蒸気圧曲線から、クライオポンプが気体を有効に排気するためには、凝縮の場合には蒸気圧が、吸着の場合には吸着平衡圧力が10-8Pa以下でなければなりません。 水とかCO2に対し、130K以下、Ar、N2、H2等に対し、20K以下で有効な排気速度が得られます。
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Q11 |
「ケルビン」とは何ですか? |
A11 |
絶対温度を表す国際単位(SI)です。-273℃を0K(ケルビン)とした単位です。 ちなみに0℃は273K(ケルビン)です。
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Q12 |
クライオポンプのベーキングはどうやるのですか? |
A12 |
(1)クライオポンプケースにヒーターを取り付け、最大70℃まで加熱しながら、ソープションポンプやターボ分子ポンプで排気する。 (2)高温までベークする場合は、冷凍機取付部分に水冷パイプを取付け、シールドの温度が10℃を越えたら、冷凍機を運転しながらベークします。 ベーカブルタイプの場合は、機種によりますが最大約250℃のベークが可能です。
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Q13 |
バンドヒーターの温度は何度まで上がりますか? |
A13 |
約70℃まで上がります。自己温調型です。
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Q15 |
すべてのガスを排気できますか? |
A15 |
クライオポンプはすべてのガスを排気できます。ただし、Heは排気容量が小さいため、多量のHeを排気することはできません。
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Q16 |
クライオポンプの耐用年数はどの位ですか? |
A16 |
クライオパネル、シールド、バッフル、シリンダー等の使用状況により寿命は異なります。 冷凍機やコンプレッサは正しくメンテナンスを行うことにより、10年以上使用されているケースも多くあります。
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Q17 |
再生の時、水を引きすぎてロータリーポンプへ水が行って困る。上手い解決の方法はありますか? |
A17 |
(1)ロータリーポンプのガスバラストをきかせて排気する。 (2)クライオポンプを最大70℃に加熱し(バンドヒーター等)ホットN2ガスでパージし、水を追い出す。 (3)クライオポンプに水抜のバルブを設ける。 (4)ロータリーポンプに、油水分離器を使う。
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Q18 |
他のポンプと一緒に使えますか? |
A18 |
(クライオポンプの場合) オイルフリーを望む場合は、イオンポンプとの併用が効果的で、到達圧力を下げたい場合もこの組み合わせが有効です。 また、ターボ分子ポンプとの併用が可能です。 油拡散ポンプは油の逆流があるので推奨できません。 (スーパートラップの場合) 拡散ポンプ、ターボ分子ポンプとの併用が可能です。
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Q19 |
クライオポンプに使用されている冷凍機の「冷凍の原理」を簡単に説明して下さい。 |
A19 |
クライオポンプの冷凍機には冷媒として10Kでも液化しないHeガスが使用されます。 コンプレッサーから送られたHeガスは、冷凍機の膨脹室で膨脹し、寒冷を発生(サイモン膨脹)させるサイクルをくり返し、温度を下げます。
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Q20 |
ディスプレーサーの中見はどうなっていますか? |
A20 |
ディスプレーサーの中見は、金属メッシュ(1段側)金属粒(2段側)が入っています。これが蓄冷材として使用されています。
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Q21 |
なぜ、高純度ヘリウムガスでないといけないのですか? |
A21 |
Heガスはコンプレッサーユニットから冷凍機に入ると約10K(-263℃)まで冷却されます。この時ヘリウム以外のガス(H2、Neは除いて)や不純物等があると凍結し、冷凍機のディスプレーサーを傷つけたり、シールを傷つけたりします。 それで、ファイブナイン(5N・99.999%)以上の純度が必要です。Heガスの液化温度は4.2Kです。
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Q22 |
コンプレッサの油はなくなりませんか? |
A22 |
コンプレッサの油は圧縮機本体と油分離器の間を循環しています。従って減ることはありません。 アドソーバーで一部吸収されますが、性能には全く支障のない量です。
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Q23 |
50Hzと60Hzでどういう違いが出ますか? |
A23 |
冷凍機はモータでバルブを開閉しますので、1分間にシリンダーに入ってくる量はモーターの回転数で決まります。 50Hz:60回転 60Hz:72回転 ですので、シリンダーに入って来るガス量が60Hzの方が約20%(72/60=1.2)多くなり、それだけ冷凍能力が大きくなります。 なお、冷却降下時間も60Hzの方が若干早くなります。
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Q24 |
クライオポンプの振動が問題になることはありませんか? |
A24 |
クライオポンプの大きさにより異なりますし、取り付け方法及び装置の重さによって変わります。 振動を低く抑えた低振動型のクライオポンプがあります。
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Q26 |
エッチング装置に使用されていますか? |
A26 |
クライオポンプがエッチング装置(RIE)についているものもあります。この場合、クライオポンプは補助ポンプとして使用されています。
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Q27 |
クライオポンプの排気能力のチェック方法は? |
A27 |
ご依頼いただければ当社にて、試験を行います。また、装置に搭載したままでチェックする場合は、日常点検項目のデーターで推定はできます。
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Q28 |
吸着パネルの良否の判定はどうすれば良いですか? |
A28 |
吸着パネルの活性炭の色、又は質量分析計等で判定します。
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Q29 |
クライオポンプの到達圧力はどの位ですか? |
A29 |
標準型(O-リングタイプ)では、10-7 Pa以下です。 ベーカルブルタイプ(メタルガスケットタイプ)では、10-8Pa以下です。 ベーカブルタイプで10-10Pa台の実績もあります。
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